PEACH-PITです!
先週に引き続き漫画家になるまでの道のりのお話、前編はこちら。↓

本日はいわば質問おこたえ拡張版。質問箱で頂いたこの質問に、ちょっと長めの尺で語ってみます。 なれそめ PEACH-PITは二人組なわけですが、もともとえばらと千道は小学校からの幼馴染で、子供の頃から二人とも漫画が好きで、一緒にお絵描きしたり、ノートに漫画をかいて交代で続きを描いたりと、よく遊んでいました。 ...
同人活動を経て、印刷所のS社長の猛プッシュでほんのりプロを意識し始めたももたね。
そこに初めて漫画連載の依頼が舞い込んで…というところまでが前回でした。
さて、そこからどうなる!?
転機!初連載プリズムパレット
初めてご依頼いただいた、漫画連載のお仕事。
その内容は、これから発売されるゲームのコミカライズで、ゲームに先駆けたプロモーションも兼ねて、短編漫画を雑誌で全10回連載…というものでした。
それこそ、PEACH-PITのデビュー作となる「PrismPallet~プリズムパレット」です。
同人誌という〆切を自由に自分で決められる世界ばかりで漫画を描いてきた我々、月刊連載なんてできるのか?
でもS社長もいつもプロになれって言うしなあ、16ページ全10回の月刊なら同人誌と並行でも何とか…原作もあるって言うし作画作業的にも二人で協力すれば何とか……というわけで、二人組作家「PEACH-PIT」として初チャレンジさせて頂くことにしました。
ですが、蓋を開けてみますと!
今だからお話できますけど実はこれ、当時ゲームのシナリオもまだ完成していない状態、しかも発売も延期を重ねていたため、連載中にちょっとずつ出来上がってくる部分のシナリオもネタバレになるから漫画にしちゃダメ…ということで、なんと原作となるお話が全くない!!
キャラクターのデザインや名前や基本設定はもちろんお借りしますが、エピソードやストーリーは勝手にももたねが捏造せねばならないというある意味前代未聞な…なんというか壮絶な企画でした。
本当に今だからお話できますけど、そういう次第でとにかくシナリオ自体がまずほとんどないのでキャラクターの性格なんかもあまりわからず、設定資料から肉付けするしかなく…
でも、既存のキャラクターを自己流に解釈してエピソードを作るとなれば、二次創作同人作家にとっては十八番であり大好物。
そんなわけで存外すんなり描けたのです。
とはいえ、調子に乗ったももたねがほぼほぼ勝手に作ってしまった部分がかなりあり…中には元々とはかけ離れたとんでもない人にしてしまったキャラもおり…。
好き勝手に描けてとっても楽しかったんですが、その後発売になったゲームとは当然、だいぶ内容が隔離してしまって、ゲームのファンの皆さんには驚かせてしまってないかなーイメージ壊しちゃってないかな…という反省と申し訳なさは今もある。
でも、とても楽しく描かせて頂いて、プリズムパレットのキャラクターたちは今も大好きで、思い入れたっぷりです。
初めて「PEACH-PIT」の名義で二人組での出版物が発売され、これが実質デビュー作ということになりました。
重要人物その2、登場
ここで、ももたねの漫画家人生に大影響を与えてくださった人物その2の登場。
プリズムパレットの担当編集H氏です。
まだまだプロ未満でふらふら暮らしていたももたねに、この担当H氏、しょっちゅう御茶ノ水で日本酒を飲みながら熱く説いてくださいました。
君たち将来はどうするの? プリズムパレット終わったら次の連載する気ないの?本格的にプロになる気はないの?真面目にオリジナル作品描きなさいよ、いつかこの雑誌で描いてみたいとかないの?うちの会社じゃなくてもいいからなんか目標持ってみなよ、まずはとにかく何でもいいからオリジナルの案作って見せなさいよ、…と。
オリジナル作品かあ…S社長に言われて同人で描いてみたことはあるけど、連載してコミックスになるような長さを私たちで作れるかなあ…プリパレみたいにキャラや設定があるでもなくまったくのゼロから…と不安ながらも、いつか同人誌で発表しようかなとぼんやり構想していたストーリーを、ためしにラフスケッチにしてみました。それが「DearS」。
試しにみせてみた担当H氏は、ふーん、って感じで見てくれて特に感想もなく終わったのですが、その数日後。
僕のプレゼンが上手くてなんか企画会議通っちゃったよ10月から連載ねー…と突然(突然ってある????)言われ。というか企画会議出すなら出すって言って???
こうして怒涛の勢いでDearSが連載開始したのでした。
初のオリジナル連載、DearS
プリズムパレットで何とか、全10話10ヶ月、コミックス一冊分の月刊ペースでの執筆を完遂したももたね。この執筆ペースならオリジナルで連載しても当然できるだろう、という判断で、このDearSも任せて頂けたものと思います。
が…。
実際始めてみるとプリパレとは全く勝手が違うもので、ネーム(漫画の下書きの下書きみたいな、漫画の設計図のようなもの)にとても苦戦して、なかなか良いものができず。
作画を安定生産できる力は確かにあった、でもお話作りはといえば、どうでしょう。
元々二次創作でばかり漫画を描いていたももたねですから、すでに確立しているキャラクターを動かして楽しく戯れるエピソードを作るのは好きだし、得意だったと思います。オタクなものでSFやファンタジーの世界観設定なんかを作り込んで細部まで凝るのも大好きでした。
でも、ゼロから全てを創り出して、整えて、起伏のある面白いお話にする長編連載となるともう、未熟な点だらけ。
プリパレが描けていたのは、やはり、原作ゲームが、考え抜かれた魅力的なキャラ達の外殻がいてくれたからこそだったんですね。
世のゲームやアニメや漫画のキャラクターがいかに完成されたものなのか、そして自分たちの漫画力がいかに初歩の初歩でうろついていた我流だったのかが、よくわかりました。
(もちろんキャラを楽しく動かすのも大事な力なんですけどね!また別の力が足りなかったということです)
そんなわけで、お話作りには最初は本当に四苦八苦で、頭の中にあるものを上手く表現できずに毎話のネームをまとめるので精いっぱい。
担当H氏はだいぶドSな部類の担当さんで、毎月のネームではそれはそれは大変物凄くしごかれたものですが、このようなよちよち歩きのももたねに、漫画の作り方の基礎を根本から叩き直して下さいました。
最初の頃は、「まず長編漫画の描き方を勉強するつもりで、ネームは全部言う通りに直して」という感じ。
この直しが、1回のネームの実に八割ほどでした。多い…。
深夜のファミレスでじっと黙って待ってるH氏を目の前にかりかり延々とネームのリテイクさせられたりしましたね…。
これ、待つ側も大変ですよね。
このように、だいぶ厳しく指導して頂いてたんわけですが、スパルタも続けば人間それなりに慣れるもので、次第に少しずつ自分たちの力でできることが増えてきた。それに従い、自由に描きたいと思うことも多々。でもまだそうはさせてもらえない。
そこで五話目くらいの時、あるとんでもない一計を講じました。
それは、ネーム第一稿をぎりぎりに上げて、これでは直す時間がないなー仕方ないこのまま行きます!という強行突破で好き勝手な内容で描かせてもらう…という超極悪手段。
本当に今振り返ってもどうかと思う。
どうかとは思いますが、しかし。
こうして強行突破した回が、嬉しいことに、雑誌アンケートの結果がとても良かった。
それ以来、なんやかんやとかなり自由に描かせて頂けるようになっていました。
こうなってくると、頭の中にある内容を思い通りに近い形で出力できる力も身についてきていて、どんどん楽しくなってきます。
DearSの一巻が出るころには、同人時代とはまた違う漫画作りの楽しさ、面白さに目覚めて、ますます漫画が好きになっていました。
怒涛のダッシュ
このDearSをきっかけに、ももたねの元には他の雑誌からも依頼が届くようになりました。
こうしてローゼンメイデンが始まりZOMBIE-LOANが始まり…と、あれよあれよと複数本を描いていて、気づけば漫画家になっていました。
この頃は月三本、月産だいたい100枚。ずーっと漫画描いて気分転換は別の漫画でする、みたいな生活に突入します。
漫画家PEACH-PITのデビュー作はプリズムパレットですが、本当に漫画家として走り始めたのはDearSからと言えるかな、と思います。
そして、なんとかいっぱしになれたのは、プリパレからDearS期の担当H氏による根気強いご指導のお陰。
商業誌では一つの絵柄しか発表してこなかったPEACH-PITに、二人とも絵が描けるんだから二人の絵柄がそれぞれ生きる作品をいくつか並行して描きなよーと勧めてくださったのもこの担当H氏でした。
今のPEACH-PITのちょっと独特かもしれない分業スタイルには、この勧めがあったからこそ到達したように思います。
お仕事に対する意識も、この担当H氏時代に育てて頂きました。
漫画家の道へ熱く背中を押してくださったS社長、厳しくも根気強く漫画のいろはを叩き直してくださったH氏。そして当時苦楽を共にしてくれたアシさん達、応援してくださった読者の皆様。
漫画家PEACH-PITが生まれたのは、この恩人お二方と、たくさんの人のお力のお陰です。
というわけで、こんな感じで漫画家になりました。
一般的なルートではない変なパターンではあると思うので、漫画家志望の方に同じルートをおすすめできるかと言われたらそうではないかも。
でも、もし言えるとしたら、ひとつに縛られる必要はないかもだよー色んな行き方があるよーとは言えるかも。特に現代は、雑誌への投稿は勿論、同人活動もあるしウェブ媒体だったりSNS発だったり、色んな入口がありますからね!
あと、最初から上出来でなくても全然いいということ。未熟でも下手っぴでもとにかく思い切って始めちゃえば、そして腐らず投げず続けていれば、存外いつのまにか何とかなってるもんなんですよね。漫画に限らずどんなことでもね!
と、思っていただければ幸いにございます。
沙羅双龍
2023-12-13 21:04:52 +0000 UTCすみ
2023-12-10 14:13:07 +0000 UTC屑野
2023-12-04 03:16:16 +0000 UTCKana
2023-12-02 10:40:55 +0000 UTC長月羊 -ナガツキ ヨウ-
2023-12-01 21:13:27 +0000 UTCMita-3
2023-12-01 11:14:37 +0000 UTC羽琉 南波
2023-12-01 11:01:34 +0000 UTC𝕞 𝕠 𝕚
2023-12-01 10:33:32 +0000 UTC