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桜梅桃華@女装・TSF小説
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メンズメイク体験から始まった、僕の女装堕ち:1

可愛すぎるメンズメイク

今日は彼女の誕生日。

百貨店の紙袋を下げた僕、塚川啓斗(つかがわ けいと)は、胸をなで下ろしていた。


地方から上京して半年、慣れない大学生活とバイトに追われて準備は遅れたけれど、彼女が欲しがっていたブランドのコスメ一式をようやく買えたのだ。


あとは彼女との待ち合わせ場所に向かうだけ――そう思った矢先。


「メンズメイク体験、いかがですか?」


出口まであと数歩のところで、白衣姿の別ブランドの美容部員に声を掛けられた。



彼女との待ち合わせまで少し時間がある。予約したレストランは普段行けないような高級店。何より彼女の誕生日を初めてお祝いができる、大切な日。


少しでも身なりを整えておきたい。そう思った僕は、勧められるまま椅子に腰を下ろしてしまった。


「では、軽く整える感じでやっていきますね」


目の前に立つ美容部員の女性。年齢は二十代後半くらいだろうか。

しっかりと引かれたアイラインに、艶のあるリップ。整った顔立ちに美しい金髪の髪は、まるで雑誌から抜け出したモデルのようだ。



その彼女の柔らかな手のひらが僕の頬に触れる。


化粧水のひやりとした感触がすっと広がり、ほのかに甘い香りが鼻をくすぐった。思わず目を細め、息を飲む。


普段スキンケアなんてまともにやったことのない僕にとって、この感覚はあまりに新鮮で……同時に彼女以外の女性に触れられる感触が恥ずかしかった。



化粧下地とファンデーションを伸ばされる感触は、まるで薄い膜に覆われるみたいだった。


均一に整えられていく自分の肌。鼻先をかすめるパウダリーな香り。


「特にスキンケアをやられていないんですよね。お肌、すごく綺麗ですよ」


褒められると悪い気はしない。


眉バサミがジョリッと動く音。刃先が皮膚をかすめるくすぐったさ。整えられた眉。


「今は平行眉が流行っていますからね。眉間を少し広くなるように整えるとフェミニンな印象になるんですよ。じゃあこのままアイラインを引いていきますね」


フェミニン?アイライン?下地とファンデーションで肌の色むらを整えて、眉をきれいに整える。これが“メンズメイク”の範囲だと思っていた。そこまで必要なのだろうか……。



目尻にアイラインを引かれると視界の端が濃く縁取られ、眼差しがはっきりとする。


「お客様は目がくりっとしてるので、少し引くだけで女の子みたいに可愛くなるんですよ」


女の子――その言葉に、胸の奥がざわめいた。


「えっ、これってメンズメイクなんですよね?軽く整える感じで……」

そう言うと店員の彼女はにこっと笑って答えた。


「もちろん“男性用”のメイクですよ。でも途中で止めちゃうと中途半端ですごくみっともない感じになっちゃうので、一通り最後までやりますね。彼女さんの誕生日ですもんね!任せて下さい」


そのまま、まぶたにのせられたのは、淡いピンクのアイシャドウ。男の僕には必要のないはずの色味が、じんわりと広がっていく。さらに、黒目の下と目頭に小さなラメを置かれると、視界の隅がきらりと光った。


「涙袋、強調するとすごく可愛くなりますよ」

目の下に丁寧に影を描かれ、膨らみを与えられる。鏡を覗けば、まるで女の子が笑った時にできるような“ぷっくり”としたラインが浮かび上がっていた。


ビューラーでまつ毛を上向きにさせられ、追い打ちをかけるように、つけまつ毛まで添えられる。


「マスカラをすると自まつ毛とつけまつ毛が馴染んで自然になりますよ」

マスカラをすっと塗られる。瞬きをするたびにふさふさと揺れ、目が一気にぱっちりと見開かれる。


「……っ」

思わず小さな声が漏れた。そこまでしなくてもいいのに、と言いかけた唇は、艶やかな色味のリップで塞がれる。


頬に乗せられるチーク。ブラシがふわりと撫でる。さらさらした粉が肌に馴染み、血色が増していく。


仕上げに、鼻筋と頬骨、こめかみの間にすっと光を差すようにハイライトが入れられた。角度を変えるたび、光を受けた自分の顔は女性らしい立体感を帯びていく。



「……はい、完成です」

促されて鏡を覗き込むと、そこには“僕ではない誰か”がいた。


目が大きく、頬が染まり、唇が艶めいて――完全に女の子の顔。

「今はこのぐらい普通なんですよ。お客様はメンズメイクが映えるお顔立ちですね」

彼女は軽く笑った。



さすがにこれはやり過ぎじゃないか、とりあえずやり直して――と反論しようとした時、ふと時計を見て血の気が引いた。


……待ち合わせ時間ギリギリだ。


このままじゃ彼女を待たせてしまう。誕生日にそんなの、絶対ダメだ。


化粧を落としてやり直す暇はない。

僕は、この顔のまま彼女のもとへ行くしかない。


百貨店を飛び出す足音。頬に当たる風すら、自分の“化粧された肌”を意識させる。

人混みの中、視線が刺さる。みんな、僕を“女の子”だと思って見ているのだろうか。


時間には何とか間に合いそうだ。広場には、既に彼女の姿が見えていた。


彼女は、このメイクをした僕を見て何て言うんだろう――?


【2章へつづく…】

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Comments

メイク似合いすぎ 可愛らしいですねぇ もしかして……

いいな


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